トウキョウヒメハンミョウ、コハンミョウ♀、エリザハンミョウ
大雨で生息地の草原が水没して、地表徘徊性昆虫類が右往左往していた水際のコンクリート階段上を、複数の小さなハンミョウ仲間が飛び回っていました。
獲物の小昆虫が求められる好機だったからでしょう。
ハンミョウは動きもすばやく、またよく飛び回るため、なかなか望遠レンズで追い切れません。
また、その際、肉眼では種類などまった見分けがつきません。
しばらく腰を据えて、あらかじめピントを合わせて待っている視野に入ってくるのを待ち構えながら、複数枚撮り貯めてから整理して見ました。
何とか使えそうなショットはごくわずかしかありませんでしたが、一応記録に残しました。
なお名前の特定には誤りがあるかも知れません。
●トウキョウヒメハンミョウ:
小さくて、茶色っぽい外観。とても動きが速く、撮れていたのはこれ1枚だけ。
(ただ後述のようにわが家の庭で撮影の記録写真が多数ありますので、後日あらためて本種についてはまとめる予定)
大きさ8~9mm。
平地から丘陵にかけて、都市部の公園や市街地などでもみられます。
小昆虫など生きたものを大アゴで捕食する肉食性。
出現時期は6~8月、分布は局地的で、関東の東京周辺と、北九州のみ。
本種は数年前から、夏になると近隣のフィールドや市街地、またわが家の庭にもやってくるようになり、一応”顔なじみ”にはなっています。
今シーズンも6月中旬くらいからよく姿を見せ、その時がじっくり観察と撮影ができるチャンスで、写真も撮り貯めています。
●コハンミョウ♀(ハンミョウ科):
視野に飛び込んで来て、そのまま静止したのでピント合わせが出来ました。
その際、肉眼ではまったく分かりませんでしたが、画像を見ると獲物を捕らえて運んできて静止したのでした。
翅に一対の黒斑が確認できます。
(画像はクリックで拡大します。)
大きさ(体長)10~12mm。トウキョウヒメハンミョウよりやや大きめ、エリザハンミョウとほぼ同じか僅かに大きい。
ただフィールドの観察では肉眼的な違いはほとんど判りません。
前翅は緑銅色に光り、中央上方に黒い斑紋が一対あり、白い斑紋は不連続です。
そして前翅に黒紋があるのはコハンミョウの♀だけということなので、コハンミョウ♀としました。
●エリザハンミョウ:
視野に入ってきたのはエリザハンミョウ?
・しばらく待っていてところ、比較的近くに飛来して静止した別個体。
翅の斑紋から、やっと撮れたエリザハンミョウと判定しました。
(画像はクリックで拡大します。)
大きさ(体長)8~10mm。海岸や丘陵地、また河原など湿った砂地に生息。
出現時期は5~9月、分布は日本各地。
エリザハンミョウについては過去ログがありました。
※なお、大きさ(体長)1cmほどのハンミョウ類の同定には、よほど精密な写真が撮れないと素人には難しいです。
前翅の斑紋による見わけ方については、一部、ポケット図鑑 「日本の昆虫1400 ②」 (文一総合出版)を参考にしました。
(完)
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