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2017年9月30日 (土)

戸隠周辺の植物⑥-②チヂミザサ、その他

●チヂミザサ(別名コチヂミザサ)(イネ科チヂミザサ属):
 特に目新しくありませんが、道端近くの明るい場所に生えていて小さな花が意外に大きく見えたので撮ってきました。
 花(小穂)はイネ科の花として複雑な構造をしています。
 開花した花の雌蕊の白いブラシ状の柱頭や、雄蕊の葯、また紫色の長く伸びた芒(ノギ)などが目を引きました。

 ・チヂミザサの花序:
 たくさんの小穂は枝の下向き側だけに付きます。1img_0151_1_3

 
 ・正面からよく見ると、意外にきれいな花です。
 (画像はクリックで拡大します。)2img_0151_2_3

 
 ・複雑な花の構造の一端。3img_0151_2t2

4img_0151_2t2

※チヂミザサは低地~山地の林縁や道端などに生え、茎は枝分かれしながら地表を這い、節から直立または斜上して枝をのばし、多数の葉をつけながら広がっていく。
  葉が笹の葉に似ていて、葉の縁が波打って縮んだようになっているのでチヂミザサ。
 秋に茎の一部は立ち上がり、先端から10cmほどの穂状花序穂を伸ばし、穂全体では高さ30cm程になる。
 花序(穂)には卵形で長さ約3mmの緑色の小穂が多数つく。
 小穂は枝の下向き側だけに着く。小穂は2つの小花から成る。
 小花には頴(エイ)があり、2個の苞穎の先に長い毛(芒(のぎ)が生えている。
 実が熟すと毛は紫色を帯びて粘液を出し、動物等に付着し(ひっつき虫になって散布される。
 花期は8~10月、分布は日本各地。

※複雑な花の構造:
 ・チヂミザサは2つの小花からなり、第一小花は第一外頴と内頴から、第二小花は第二外頴と内頴からできている。
 ・花の雄蕊は細糸のような花糸の先に葯が付いて垂れさがり、雌蕊は白いブラシのような形状。
 ・芒(ノギ)は紫色~赤色の針のような毛で、頴(えい)に付属している。
 このノギには粘液がついていて”ひっつき虫”になる
 ・頴(エイ)は花を包んでいる殻のことで、イネで言うモミ殻にあたる。
 ・苞頴(ホウエイ)は普通の花で言う萼のような部分で、いちばん外側の苞葉のようなところ。
 ・外頴・護頴は外側の頴で、一般に大きい。
 ・内頴は内側で、子房やシベ等の周りにあり、小さいもの。

 
●ゲンノショウコ(フウロソウ科フウロソウ属):
 草むらに一株ありました。Img_0150

 草丈30~60cmになる多年草。 葉は掌状に3~5深裂する。
 花は5弁花で長い花柄の先につき、直径1~1.5cm。
 東日本には白い花、西日本には紅紫色の花が多い。
 果実は蒴果で、長さ約1.5cmで短毛と腺毛が多い。心皮の上部がくちばし状にのび、その下端に種子がある。熟すと5裂して、裂片は種子を1個ずつ巻き上げ散布する。
 花期は7~10月、分布は日本各地。

 
●ツリフネソウ(ツリフネソウ科ツリフネソウ属): 
 道路沿い林縁のあちらこちらでキツリフネと混生しているのを多く見かけました。Blg_3

※低地から山地の林縁など、湿った半日陰地に生育する一年草。
 草丈は約50~80cmになる。葉は広披針形で互生し、縁には細かい鋸歯がある。
 花期に茎の先端部から細長い花序が出て、船を釣り下げたような姿の紅紫色の花を数個つり下げる。
 花は左右対称で“花の尻尾”(距)はくるりと巻いている。
 花後に熟した果実に少しでも触れると、種子は勢いよくはじきとばされ散布される。
 花期は8~9月、分布は日本各地。

 
●キツリフネ:
 黄色い花色のツリフネソウです。草丈は 50~80cm。葉には鋸歯があり、楕円形から広披針形で、ツリフネソウより楕円形に近い傾向がある。
 花は、上方の葉腋から出た長い花柄に吊り下げられるように、葉の下に咲き、”花の尻尾”(距)はツリフネソウのようには巻かないで垂れている。Blg_2

 
●イチイ(イチイ科)の赤い果実:
 林縁の道路足元に小さなルビーのような赤い実が点々と落ちていたので見上げると、傍に常緑針葉樹イチイの大木がありました。
 付近の民家の生け垣にも植栽されていて、赤く熟した果実がたくさん見られました。Blg

※果実の果肉は甘くて食べられますが、種には有毒成分(タキシン)を含むため、人が種までたくさん呑み込んでしまうと危険です。
 一部の野鳥(カケス、ツグミ、ヒヨドリ、ムクドリ、ヤマガラなど)が食べるそうですが種は食べないで吐き出しているらしいです。

 
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■今回観察した植物に関する参考:
  戸隠神社近くに戸隠森林植物園があります。ホームページ『長野県・長野地域振興局・戸隠森林植物園:花みごろ情報7月~9月』の頁で確認することが出来ます。
(例): http://www.pref.nagano.lg.jp/nagachi/nagachi-rimmu/shokonorin/kenerin/manabiya03.html

                   (完)

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