戸隠周辺の植物⑥-1 ナガミノツルキケマン
戸隠神社周辺で見かけた植物シリーズの最終回。
ここからは戸隠神社中社付近の道路沿い林縁で見かけた植物です。
色々な植物が混然一体になって生えていました。
特に目新しいものはありませんでしたが、今回一品種だけ、初見のものがありました。
まずは、初めて観察・確認した“ナガミノツルキケマン” (長実の蔓黄華鬘)から。
●ナガミノツルキケマン(ケシ科キケマン属):
中社入り口付近を通過する道路に面した林縁の草地に他の植物に混じって生えていたもの。
ややまばらについた黄色い花が”キケマン”に似ていましたが、開花時期が異なり、全体の様子も異なります。
決め手は果実(蒴果)の様子で、ナガミノツルキケマン」と分かりました。
・地面を這っていた茎が雑草の中から立ち上がり、濃い黄色の花を付けていました。
・葉は、2~3回3出複葉で、小葉は深く3裂し、ほぼ倒卵形。
斜上した茎先に果実がぶら下がっていました。
・果実は線状倒披針形の蒴果で、外観から、中の種子は数個が1列に並んでいる様子が窺われました。
(画像はクリックで拡大します。)
※本種は山地の道路沿いや林縁に生える1~越年草。
茎は直立せず、四方八方に這いながらよく分枝して、他の草に寄りかかって広がり、枝先や花序は斜めに立つ。
茎には稜がありやや太く、長さ1~2mになる。
葉は互生し、軟かく、2~3回3出複葉で、小葉は深く3裂し、ほぼ倒卵形。
花は、葉腋からでた総状花序にややまばらに付く。花色は濃い黄色で花弁に紫色が入る。距は少し曲がるか水平。苞は細く幅2~5mm。
果実は細長い線状倒披針形で、長さ約15~20mm、幅2~2.5mmの蒴果が多数ぶら下がってつく。中の種子は数個が1列に並んでいる。果実は完熟すると瞬間的にはじけ、種子を飛ばす。
花期は8~10月、分布は日本各地。
・本種は環境省レッドリストのカテゴリ準絶滅危惧(NT)。
・なお、関東、中部地方には母種の「ツルキケマン」があります。
本種の花はナガミノツルキケマンよりまばらにつき、色は淡い黄色。
また果実(蒴果)の鞘は短く扁平な長楕円形で、中の種子は2列に並ぶので、鞘の外観からも”ナガミ”と確実に区別できる。
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