マダラバッタ(褐色、紅色、緑色型他)まとめ
9月中旬、稲刈り中の田圃道で偶然マダラバッタ(紅色型)を見つけていましたが、まだ緑色型には出遭っていませんでした。
そこで今シーズン限りと、その後から10月上旬にかけて、散歩時に、他のバッタには目もくれずに、“マダラ”はいないかと探してみました。
そして意外にも、年に何回かは完全に水没するにもかかわらず、池沿いの草原・運動広場の舗装遊歩道上で日光浴をしていた(?)バッタ仲間に混じって、主に見られた褐色型マダラバッタと共に、新たに紅色型、そして緑色型それぞれの数個体を目にすることができ、さらにあまり確信のない例ですが、白っぽい個体も1匹だけ見つけることが出来ました。
幸いなことに舗装路面上のため遮蔽物がなく、また逃げられないように2mほどの距離を保ちながらバッタの全方位からのズーム・マクロの撮影も出来ました。
その結果、写真を整理している際に、明らかに大きい♀と体の小さい♂の腹端がはっきり写っている画像が何例かあって、(捕獲しないでも)その外観形状を比較することで雌雄の別が判断できることを確認しました。
(♂の腹端は側面から見ると舟のような形で、後方から見る時に縦スジはなく丸っこい。♀の腹端は横から見る時、腹端を地中に差し込んで産卵する際に使う”突起”(産卵管)があり、その突起は、後方から見ると縦スジが入っていて開閉できるよう割れていること。)
今回の記事は以上の観察のまとめです。
(なお余談ながら、現在、観察後に襲来した先の台風21号、続く22号にともなう雨で増水し、池の周囲の草原広場は水没したままです。)
●9月22日:
田圃道の裸地で:
一組の褐色型マダラバッタ♂、♀が接近しましたが、交尾は不成立。
体格の大小と腹端形状で雌雄の区別は明瞭にできます。
・草がまばらに生えている農道で:
別個体の褐色型マダラバッタ♀:
●9月30日:
池の広場で:
午後4時を過ぎ、すっかり傾いた夕日を浴びながら草原広場の遊歩道路面に出ていたマダラバッタのなかで、特に白っぽい個体など中途半端な体色の変化が見られた個体の例です。
・中途半端に緑のマダラバッタ例(♀):
胸背部だけが緑のマダラバッタ(♀らしい)個体も複数見かけました。
・白っぽい(白~クリーム色)マダラバッタ個体:
遊歩道も終わりになり、引き上げようとしていた時、突然目前に飛来して、足元近くに止まった個体。
あわてて1枚撮ってから、横(体側面)のアングルで撮ろうと移動した途端に草叢に飛ばれて見えなくなったので、写真はこの1枚だけ。
見かけたのもこの時限りでした。
全体がクリーム色~白っぽいマダラバッタではないかと、少しネット情報を調べてみました。
若齢時の脱皮直後は白っぽいそうですが、こちらは成虫。
“白っぽいマダラバッタ”で画像検索すると、類似した雰囲気の画像が見つかったので、やはりマダラバッタかと思うものの不確かです。
●10月3日、池の草原広場、午後4時半ごろから5時過ぎまで:
今までの観察中では一番多くの(といっても15匹前後でしたが)マダラバッタが、傾いた夕日を浴びて日向ぼっこ(?)をしてるかのように路面に出て(静止して)いました。
陽を浴びる被写体はどうしても色飛びしがちになるため、体で光りを遮って撮ろうとすると、バッタは直ぐにスルスルと歩いて、日陰を抜けだして静止します。
何回やっても同じ挙動を繰り返しましたので、やはり日向に出ることが目的だったのでしょうか。
それはともかく、撮った画像は、日向と日陰では色彩表現がかなり異なったものになりますがやむを得ません。
またその際、肉眼ではまったく分かりませんが、多くのバッタが路上で糞をしていたようで、近くに点々と落ちていたり、中には腹端に糞がくっついたままの固体がいたのが画像から分かりました。
観察できた大多数の個体はやはり標準的な褐色型の♂、♀でしたが、その中に紅色型2個体、そして緑色型2個体が見つかりました。
※以下、順に記載。
・褐色型♂マダラバッタの後脚脛節のマダラ模様:
静止している時、後脚はぴったり閉じていますので、脛節の色は分かりませんが、スルスルと歩き始めた瞬間から、白・黒・青・赤の色模様が分かります。
撮れた画像の一例です:
・褐色型♀マダラバッタ:
日当たりに出て大きな糞をしていた個体例:
・紅色型♀マダラバッタ:
3個体が見つかりました。
① 腹端に大きな糞をくっつけたままの個体:
・緑色型♀マダラバッタ:
9月30日:
この1例だけ、まばらに草の生えていた農道で見つけた個体:
・(紅色型を見つけたのと同じ場所/時間帯で見つけた)2個体の緑色型♀マダラバッタ:
●10月5日:
午後4時過ぎ、池端の草地広場路面上で:
緑色型♀マダラバッタ2個体を見つけました。
・1個体はやはり日当たりに出て、糞をしていたようです。
※マダラバッタ(バッタ科トノサマバッタ亜科):
翅が長くスマートな中型のバッタ。前翅に不規則な黒点があり、付け根には黄白色~緑色の横筋があるのが特徴的。
後脚脛節は、白、黒、青、赤のマダラ模様。
体色は褐色型が主だが、緑色型や紅色型、また白っぽい個体も見られるなどさまざま。
荒れ地や河原、草原などの地上で見られる。
トノサマバッタやクルマバッタモドキなどと混在している。
♂の大きさ(翅端まで)は27~31mmと小さく、♀は34~35mmと大きい。
また腹端の外観からも♂、♀の区別ができる。
出現時期は7~11月、分布は日本各地。
| 固定リンク
「昆虫」カテゴリの記事
- ヤマアジサイ開花、ナミテントウなど(2021.05.27)
- ヨトウガの卵( バラの葉裏に)(2021.05.23)
- フヨウの葉を巻くハマキガ幼虫と成虫(ワタノメイガ)(2021.05.22)
- クロネハイイロヒメハマキ(成虫/幼虫)(2021.05.21)
- フタテンアツバ、不明のガ、アカハラゴマダラヒトリ(2021.05.20)
「鳥」カテゴリの記事
- チュウダイサギ(婚姻色進行中)(2021.05.15)
- ムナグロ(旅鳥)通過(2021.05.03)
- まだいるコガモ(冬鳥)(2021.04.28)
- ムナグロ(今シーズン初見)(2021.04.24)
- 雑記(クリスマスローズ開花ほか)(2021.03.07)