ダイサギ(チュウダイサギ?)の魚取り
■ダイサギ(チュウダイサギ?)の魚取り:
先日、通りかかった橋の上から、川で熱心に小魚捕りをするダイサギ(チュウダイサギかも)を見かけました。
この時期、姿を目にするのは日常的で、特別カメラを向けることはありません。
ただ、通常なら人影を認めると直ぐに飛び立ってしまう、40~50メートルほどしか離れていない”至近距離”にいて、人の姿を気にすることも無く小魚捕りに夢中の様子だったので、カメラを向けてみました。
いつもなら人や車の通る橋から7~80メートル位は距離を保ったところに降り立って、じっと川面を見つめているか、ゆっくり川床を歩いているかのいずれかですが、今回は珍しい事に、(近くでしたので初めて目にすることができたのですが、)多分”魚溜まり”だったのでしょうか、あまり移動しないで、立っている水面を見ながら、水底を片足で盛んに踏みつける仕草(足ゆすり:Foot-stirring)をしては、追い出した小魚をめがけて嘴を突っ込んで捕らえる、という行動を繰り返していたのです。
●以下は、暇人が見ていたダイサギ(チュウダイサギ?)の採餌行動連続3分間の記録です。
・1回目:(以下の画像はクリックで拡大します。)
小物を捕まえたようです。
・5回目:
また失敗。
気を取り直して元の場所まで戻り、”足ゆすり”してからやり直したのに・・・
・6回目:
近くにいたオオバン(最初の画面左上)に下手くそな魚取りを見られていたし、今度は小物を捕ることができたから場所変えよう、ということにしたようでした。
捕れても小物ばかりで、おやつくらいにしかならなかったことでしょう。
やはり池で大物を待ち伏せした方が良いのかも。
・11月中旬の池で:
左3羽がダイサギ(チュウダイサギ)、右2羽はコサギ)
【余談】:
サギ類の採餌行動について、いくつかの文献等*を参照して見ました。
・アオサギ(こちらに実際の観察記録があります)は主に水辺で立って待つ「待ち伏せ法(Stand-and-wait)」
・ダイサギの仲間(こちらに実際の観察記録例があります)は「待ち伏せ法(Stand-and-wait) )」と、ゆっくり歩きながら採食する「ゆっくり歩き法(Walking Slowly)」
・チュウサギ(こちらに観察例があります)やアマサギは「ゆっくり歩き法(Walking slowly)」、あるいは「待ち伏せ法(Stand-and-wait)」
また
・コサギ(こちらに観察例があります)は「速歩き法(Walking Quickly)」を主とする採餌行動で、片足を前方に出し水底で振動させる(Foot-stirring)”足ゆすり”によって追い出した餌生物を捕らえると報告されています。
(さらに時には嘴の先端を水面につけてすばやく開閉して水面に波紋を起こし、それに誘引された餌生物を捕らえる波紋漁法も観察されているそうです。)
以上が、サギ類の一般的な採餌行動のようです。
当然ながら、採餌行動は場所や環境等によってもバリエーションがあるのでしょう。
* ① 日本産アオサギ亜科5種の生息場所、採餌行動および餌利用
東條 一史 日本鳥学会誌 45 巻 (1996-1997) 3 号
② https://www.wbsj.org/nature/public/strix/23/strix23_09.pdf
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