オスグロホソバアツバ
●オスグロホソバアツバ(ヤガ科アツバ亜科):
12月中旬、午後3時過ぎ、すっかり傾いた西日の半日陰になる外構壁に、小さな地味な色の蛾がくっついているのが目に止まりました。それで暇つぶしに写真撮り。
・頭部の形:
のぞき込んで見ると頭部が妙な形です。
気温も低いので動く気配はありません。ただとまっている場所が撮りにくいところで、頭部にある”長いヒゲ”を何度か撮り直ししても今ひとつの画像ばかり。
(以下の画像はクリックで拡大します。)
・カメラをレンズがくっつく程に近づけたら、さすがにヒラヒラ落ちるように飛んで地面に降りました。
それを追っかけた画像は特徴的な斑紋があるようなのですが・・・
やはりコントラストの無い、不明瞭なものばかり。
そのまま翅をゆっくり動かしながらよろめくように地面を移動して、
・今度は庭の野良猫避けの「トゲトゲシート」にふわりと飛んでからピンに掴まって這い上がり、静止しました。
・そのまま動く様子が無いので、シートごと持ち上げて、アングルを変えながら写真撮り。
ピンの長さは20mm。これを物差しにして大きさ(前翅長)を概算すると16mmでした。
・また別の角度から撮った画像には、特徴的な姿が写っていました。
下唇鬚(かしんしゅ)*と、胸部と腹部の間付近ある”垂直に立つ毛束”です。
これらの画像をもとに、ネット上の画像と比較・検索したところ、不確かな素人目ですが、「オスグロホソバアツバの♀個体」ではないかと判断しました。
※オスグロホソバアツバ:
画像比較で一番参考にさせて頂いたのは次の情報です。
http://mushinavi.com/navi-insect/data-ga_atuba_osugurohosoba.htm
本種についてまとめてみると以下のようなところです。
名前は、♂の個体が濃色で黒っぽく、前翅が細いアツバということ。
長く真っ直ぐに発達した下唇髭(かしんしゅ)(“鼻”と俗称されるそうです)と、さらに胸部と腹部の間付近に”垂直に立つ毛の束”があるのが特徴的であること。
また♀は全体に淡色という情報がありましたので、今回の個体は♀かと。
大きさ(前翅長)については、今回撮影の画像からの概算では16mmでした。
出現時期は5~12月(今回観察実績)。
分布は本州、四国、九州。
※参考メモ:
http://www.jpmoth.org/~moth-love/yougo-syu/yo-gokaisetu.html
基本用語集
■下唇鬚 (かしんしゅ):
蛾の頭部にある「鼻」のように見える部分。通常3節からなり、根元から第1節、第2節、第3節となる。
主に小蛾でよく発達しているが、大型の蛾でもアツバ亜科やクルマアツバ亜科などの蛾もよく発達し、特にテングアツバなど例外的に発達するものもいる。
キバガ科などの蛾の「キバ」の部分も下唇鬚です。
この特徴は種の同定にも役に立つことがある。
この器官は触角同様に匂いを感じ取ることができたり、複眼を掃除したりする役目にもなっているようだ。
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