クヌギの虫こぶ2種(クヌギハナカイメンフシ/クヌギエダイガフシ)
●クヌギの虫こぶ2種(クヌギハナカイメンフシ/クヌギエダイガフシ):
・4月上旬から中旬、池端の空き地に生えているクヌギに大量の虫こぶが形成されているのを目にしました。
素人目には、これでよくクヌギの樹勢が損なわれないものだな、と感心したほど。
(以下の画像は全てクリックで拡大します。)
・そして4月下旬には(雄花序も)大半の虫コブも脱落していました。
その頃には黄緑色の新葉が大きく生長していて、樹勢には何らの影響もないように見受けられました。
・2種類の虫こぶがあり、圧倒的に多数だったのは「クヌギハナカイメンフシ」で、雄花(花序)全体が肥大して直径25~30mmの綿球状になったもの。
・数カ所にしか認められなかったのは「クヌギエダイガフシ」。
数個が固まって若い枝につくられた虫こぶで、表面は軟毛が密生した棘状片で包まれているもの。
これら虫こぶの作成者はそれぞれ「クヌギハケタマバチ(クヌギハナカイメンタマバチ)」と「クヌギエダイガタマバチ」の2種ということです。
■後日(2018.10.6)追記:
今回記載の"クヌギエダイガフシ"は、昨年の7~8月に形成されていたものの”残骸”と思われるものでした。新鮮なものは夏に形成されます。
また多数の虫こぶが形成されていた雄花序や展開の始まった新葉の周辺には、まとわり付くように動き回る2種類の「タマバチの仲間」も目撃しました。
何者で、何をしていたのか、それらの詳細は分かりません。
一般的に寄主(今回はクヌギ)と虫こぶ形成者(今回はタマバチの仲間)との間にはきわめて特異的な関係があり、特定の虫こぶ形成者とそれによって寄主に作られる虫こぶの形、大きさ、色などの一般的性状はほぼ一定で、このため虫こぶから、形成者と寄主である植物を知る事ができるそうです。
特異的な関係のある寄主に致命的なダメージを与えてしまっては何にもなりませんから、この虫こぶ形成者のせいでクヌギが影響を受けるような事はまず無いのでしょうね。
・4月初旬、2種類の虫こぶを採取して一つのポリ容器に入れ、屋外に放置していたところ、4月下旬に2種類のハチが出現しているのに気がつきました。
・多数発生した胸部が橙色のハチの方は全て既に死んでいました。
気がつく以前に発生していたのです。
いずれにせよ、いい加減な観察経過と不鮮明な画像のため、先に見かけた2種類のハチや、今回観察した画像のハチについて、クヌギハケタマバチ(クヌギハナカイメンタマバチ)やクヌギエダイガタマバチとの関連・異同など詳細は分かりませんでした。
なお、過去にクヌギの葉に形成された球状の虫こぶクヌギハマルタマフシの記録があります。
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