クヌギエダイガフシ(虫こぶ)
過去ログです。
7月初旬、草原に植栽されているクヌギ小木(環境が悪くて大きくならない)に新しくできた黄緑色の虫こぶ(虫癭)「クヌギエダイガフシ」が多数できているのを見かけました。
新しい虫こぶを目にしたのは初めてだったので記録に。
●クヌギエダイガフシ:
虫こぶは“クヌギエダイガタマバチ”の寄生によって、クヌギの若い枝組織が異常な成長をすることで形成されたものです。
タマバチが産卵管を植物体に差し込み、内部に産卵し、初めのうちは目立ちませんが、孵化した幼虫が蛹へと生長していく間に大きく膨れあがり、色づいていきます。
外観は直径2cmほどの、ほぼ球形で、軟毛が密生したイガ状の突起が群生していて、果実のようにも見えます。
単独で出来ている場合と群生して繋がって見える場合があります。
(画像はクリックで拡大します。)
なお、その後は観察していません。
※「クヌギエダイガフシ」は『単性世代の虫こぶ』で夏(7~8月)に形成されます。
虫こぶ中のクヌギエダイガタマバチ幼虫は9月頃にサナギになり、10月に羽化し、穴を開けて外に出ます。
この時出てくる成虫(クヌギエダイガタマバチ)はすべて雌で、雄は出てこないそうです。
この成虫は秋から春先にかけてクヌギの”雄花の冬芽”に産卵します。
そして、これによりクヌギの“冬芽”の雄花が展開する時に形成される虫こぶは、夏期に若いエダに形成される虫こぶとは外観も名前も異なり、「クヌギハナコツヤタマフシ」と呼ばれ、『両性世代の虫こぶ』になるのです。(こちらはまだ観察したことはありません。)
この虫こぶ(クヌギハナコツヤタマフシ)からは、雄と雌が出てきます。
そして交尾するとクヌギの若枝に産卵するという2世代交代を繰り返しているという、何ともふしぎな生きものの世界です。
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