ヤマトシジミ産卵
●ヤマトシジミ産卵:
7月は長雨、さらに梅雨明け後は猛暑のせいで草取りも手抜きの結果、8月下旬現在雑草のブッシュと化した猫額庭に、梅雨入り後からほぼ毎日のように複数のヤマトシジミがひらひら飛んできます。
カタバミ類の雑草が途絶えることなく繁茂しているからで、過去にはあまり経験したことがない状況です。
そして、8月の日中、”体温並み”の庭に出た時に、エアコン室外機の正面で、廃熱風に曝されてカラカラに白く乾いた地面にも枯れることなく、揺らぎながら立ち上がっているカタバミ(タチカタバミ)に止まって、一緒に煽られ吹き倒されながら揺れているヤマトシジミの姿をしばしば目撃して、なんという“丈夫な生き物”なのかと感じ入っていました。・・・
(過去ログ:https://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2019/08/post-9a1679.html )
そしてある日(8/8)、たまたま干し物を取り込みに庭に出て大急ぎで戻ろうとした時に、突然足元のタチカタバミにヤマトシジミが飛来して、1枚の葉に止まるとすぐに腹端を葉裏に向けてJ状に曲げ、すぐに飛び立っていきました。
“産卵した!”と、その葉茎を摘み取りました。
ちぎった葉を見ると、1枚の葉裏に1個、産み付けられた大きさ1mm以下で淡黄白色の小粒があり、卵と認識しました。
とりあえず写真撮りにと、葉茎をちぎって手に持ち、ついでに郵便受けに放り込まれていた雑品を取り出すなどの雑事をこなしてちょっと手間取ったのですが、そのわずかな間に、ちぎり取っていたカタバミはもう萎れかけ葉を閉じてしまいました。
カタバミ類には、強い日差しの元や、葉をちぎったりした時ばあいには、それらの(葉から)水分の蒸散を防ぐ為に葉を閉じる自己防衛機能を備えています。
それで卵は見えなくなったため、水を入れたプラスチック皿に茎先を浸しておくと、ほどなく萎れは回復して葉が開きました。
おもむろにコンデジで葉裏の卵を撮影してみましたが、1mm以下の小さな卵となると、手元のコンデジの性能では細部の観察には無理な被写体でした。
不鮮明な画像ですが、卵は球形ではなく、ややくぼみと厚みのある円盤状で、その表面には細かな襞が多数点在しているように見えました。
※(なおWikipediaヤマトシジミ(蝶):によれば、「卵:非常に小さく0.4mm程度。乳白色で球体を上から押しつぶしたような扁平な形状をしている。中央部には0.05mmほどの精孔がある。カタバミの葉裏に1つずつ産み付けられ、通常、一箇所に集中することはない。卵期間は5日から6日程度。」とのこと。)
■雌雄判別について改めて確認。
殆どの場合、表翅の色が青色なら♂、黒褐色なら♀と判別できますが、静止したまま完全に閉じた翅を開くことがなければ、(裏翅は♂、♀共に同色なので)雌雄判別は困難です。
(なおまた、季節型によっては♀にも表翅に青紫鱗粉が混じって全体として青っぽく見えるのでやはり識別が難しい場合もあります。)
そこで腹部と腹端の交尾器の形状を確認できれば確実に雌雄の判別ができますが、自然の状態ではこれも必ずしも容易ではありません。
・♂:
それで、今回、暇つぶしに、一度捕獲してから確認することに。
・ (8/25) 現在でも毎日、複数のヤマトシジミが飛来しますので、メダカ採り用の網を持ち出して、翅表が青色の♂個体を捕獲しました。
網の上からつまんで、翅表と、腹部、腹端の交尾器を撮影。
♂の交尾器が筒状であることが確認できました。
※(なお、撮影アングルによってはやはり尖ったように見えてしまうことがあります。)
( 網の中で閉じたままの表翅を網の上からうまく開かせることが出来ず、もたもたしていると鱗粉が飛び散ってしまいましたが、青色の鱗粉が残っているのを確認して、良しとしました。):
(撮影後、網を広げると元気よく飛び去りました。)
※(♀については未実施)
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