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2019年12月 4日 (水)

最後のルリタテハ羽化顛末記

 2年前に原稿保存していた記録がありました。
 遅まきながら記録のための記録として公開しました。    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 今年(2017年)最後のルリタテハ羽化記録:

●終齢幼虫5頭発見:
 ■2017年9月はじめに庭のホトトギスに多数のルリタテハ幼虫がいるのを観察していました。
 そして今シーズンは、数十頭のルリタテハ幼虫が、ことごとく幼虫や、また特に蛹の段階で寄生する寄生蜂の侵襲被害を受け、無事に羽化した成虫はまったく見られませんでした。
 それも自然の摂理かと思ったことでした。
 そして、そのフィーバーも一段落した11月はじめ、庭木の整理や草取りなどの片付け中に、再び新たに5頭のルリタテハ終齢幼虫があちらこちらに点在しているのを見つけたのでした。
 また掻き集めた枝葉の中からも1匹這い出しているのも目にしましたが、その時はすべてそのままに。

 そして
■11月5日:
 少し余計なことを思い立ちました。
 草木の茎などにくっついていた終齢幼虫5匹すべて採取して虫かごに入れ、蛹につく寄生蜂の被害防止のため、ガーゼで容器上部をカバーしてから蓋を載せ、まだ庭に残っている幼虫の餌のホトトギス葉も中に入れて経過を見ることにしたのでした。
 観察の便のため容器は室内に置きました。

●5頭の蛹化:
 ■11月10日、最初の1頭が蛹化、少し遅れて12日に2頭、合計3頭が前蛹から蛹になりました。 
 ・11月12日撮影:Img_819151112

 また残り2頭の幼虫も更に遅れて11月16日に1頭、残る最後の1頭が18日に蛹になりました。
 これでとりあえずは、5頭の終齢幼虫すべてが“無事”に蛹になりました。

 
 12月はじめには、最初の個体が蛹になってから既に蛹期間の最長目安とした3週間が経過しましたが、羽化する兆候は感じられず、あるいはトラブルに見舞われているかと思い、このまま室内に置くのは止めて、とりあえず容器ごと、風雨や直射日光の当たらない屋外に出しました。

 
●予期しなかった羽化を観察:
 屋外に出してから4日目の
 ■12月5日:
 ・ 1頭目が羽化:
  外出から帰宅した午前11時前、容器に目をやると予期せず、1頭が羽化して蛹の抜け殻にぶら下がっていました。
 蛹になってから25日後のことでした。1125

 
 羽化して羽が伸びてしばらく後に排出される赤色の体液がまだ出ていなかったので、羽化してそれほど時間が経過していなかったようです。

 ・カゴから外に取りだしてしばらく後に赤い体液を排出しました。Img_8399

 
 当日は日暮れ近くなっても抜け殻にぶら下がったまま飛び立つ気配はまったくありません。  
 それで,夜になってから庭のツバキの茂みに抜け殻ごと差し込むと、ゆるゆるとツバキの細枝に取り付いて少し登り、葉裏で静止しました。R00151701251

 鳥の目からは遮蔽されるのでそのままに。 
 翌朝、覗いてみるとそのまま不動で、とりあえずは無事の様子。

 
■12月9日:
 ・2、3頭目が羽化:
 (前日は曇り後冷たい雨の寒い1日)午前11時過ぎ、天気は快晴でしたが風は冷たく、気温は8℃とやはり寒い天候でしたが、新たに2頭のルリタテハが羽化しているのに気がつきました。
 蛹化後、27日目のことでした。

 ・2頭目:R00151741292

 
 ・3頭目:
 羽化して羽が伸びていく時に、羽先の部分が容器壁に少し接触していて、その部位が少し曲がった(カールした)ままになっていました。R00151781293

 
 ・既に赤い体液も容器内に排出していました。R00151801292

 
 カゴから出しても動く様子はなく、1頭目同様に、鳥の目から遮蔽するためツバキの葉裏に止まらせました。
 ・2頭目:R00151821292

 
 ・3頭目:(羽先がカールしているのが分かります。)R00151831293

 
 ・なお、先(5日)に羽化した1頭目の個体は元の位置で不動のままでした。R00151811291

 
 ・残る2頭の蛹はまだそのままで羽化する気配がありません。R00151791292

 
■12月25日:
 蛹になってから既に40日近く経過したのに依然として蛹のままの2頭、やはりダメになってしまったのか、そうなら始末しなくてはと、2頭共に、くっついている長めの茎を切り取ろうとして蛹に触れたところ、突然、触るなとばかり両方の蛹ともに体を振り始めたので少しばかり驚きました。
 どうやら蛹のままで元気なようです。
 引き続き経過観察するには、短くなってしまった茎では保存できないので、継ぎ足し用の小枝を探して庭の片隅を覗いた時に、何とまた新たに1頭の蛹を見つけたのです。
 マンリョウの下枝に隠されるように伸び出していたシュンランの葉に付いていました。
 こちらはこれまでずっと屋外の自然環境に曝されて経過した蛹です。

 余談ながら、野外自然環境下でのルリタテハの越冬態は成虫で、とされています。
 屋内で飼育されている場合は、蛹のままで冬を越して春先に羽化したり、あるいは室温が高い時には冬に羽化することもあるそうですが、12月末の野外で3頭の蛹の存在は、経過観察の価値がありそうです。
 新たに見つけた蛹は触らず、2頭の蛹には小枝を継ぎ足して引き続き屋外の物陰に置いて
 このまま観察することにしました。

・新たに発見した1頭の蛹:R001528012251_1

・継続観察の2頭の蛹:R001528821225

・なお、先に羽化してツバキの枝にとまらせていた成虫2頭の姿が見当たらなくなっていました。消息は不明です。
 そして羽先がカールした1頭は依然としてまったく動かずにそのまま冬越ししているようでした。R001528631225

■12月28日:
 残っていた1頭の成虫が昇天:
 昨日は冬晴れのもと北西の強風が吹いていました。
 朝、ゴミ出しに行った帰りに、自宅前通学路に、風で飛ばされてきたゴミの小片を掃き集めていた時に、庭に1頭だけ残っていたルリタテハが落ちて死んでいるのを見つけました。
 ここ数日最低気温は氷点下、最高気温も10℃以下の乾燥した冷え込みで、耐えきれなかったのでしょうか。

 とりあえず年内の経過記録はここまでで、以後は打ち切りとしました。

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