ヒトリシズカ
●ヒトリシズカ(一人静)(センリョウ科チャラン属):
30年来、次々に姿を消していった庭植えの草花の中にあって途絶えることなく、早春のある日、気が付くと庭木の根元にひっそりと芽生え、やがて株立ちになって白いブラシのような花を開き春を告げるヒトリシズカ。
今シーズンは”外出自粛”のおかげで、暇つぶしに撮りためていた写真がたまったので、何の変哲もないものの、記録のための記録としました。
3月7日、例年とほとんど変わらないタイミングで、頭を持ち上げた時点からの記録です。
・本種は地中を横に伸びた地下茎(根茎)から数本~20本くらいの茎を立ち上げます。
茎ははじめ赤紫色を帯びるものが多く、直立して株立ちになり、開花が始まるとアッという間に花の最盛期を迎えます。
草丈は10~30cm になる多年草です。
(以下の画像はクリックで拡大します)
・葉がのびきる前に4枚の葉*の中心から花穂が1個(まれに2個)伸びだします。
茎の上部には2対の葉が十字形に対生しますが、節間が短いので、*4枚の葉が輪生しているように見えます。
・花の構造:
雄しべの花糸(葯隔)は白色でよく目立ち、それによって遠目には全体として白いブラシのような花に見えます。
花には花弁も萼もなく、雌しべ1個と子房の横腹に雄しべ が 3 個つきます。
外側の2個の雄しべには、基部の外側に黄色の葯がありますが、中央の雄しべには葯がありません。
・4枚(に見える)葉の真ん中に直立していた花穂は、花後に形成された果実が熟すにつれて折れ曲がり、熟した果実から順次離脱(落下)します。
果実は核果で長さ2.5~3 mm のゆがんだ倒卵形。
・やがて果実が離脱した花穂も落下する5月中旬頃には、ヒトリシズカの名にはそぐわない、騒々しい草姿になってしまいます。
株元をかき分けてみると、昨年落下した種によると思われる実生の苗が(株元だけではなく)近辺に育ち始めています。
晩秋になると地上部分は枯れて、地下茎の状態で越冬します。
開花期は4~5月、分布は日本各地
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