ハエドクソウ(蠅毒草)
●鳥散布によると思われるシロダモ*が、今夏、ついに枯れ死しました。
放置プランターに自生してから5年以上、通年、水やりや施肥などまったくしないでも、酷暑の夏場を乗り切ってきたシロダモ苗木(幼木)でしたが、今夏ついに枯れ死してしまいました。
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そのプランターの枯れ死シロダモの傍に、緑の葉をまばらに付けた1本の細長い草茎が伸び出しているのに気が付いて、見ると、なんと雑草のハエドクソウでした。
●ハエドクソウ(ハエドクソウ科ハエドクソウ属):
いつどこからやってきたのか来歴不明で、時折気が付いた時には引き抜いていたのですが、絶えることなく生えてくる丈夫な雑草です。
この夏にも7月下旬に気が付くと、すぐ近くの日陰になる庭木の樹冠下に2、3株が既に50cmほどに伸び出して花をつけていました。
現在も、時間差をおいて生えてきた株が花をつけています。
いずれ除草しますが、翌年また生えてくるでしょう。
(画像はクリックで拡大します)
※ハエドクソウ:
多年草の有毒植物。
・茎の高さは50~70cmになり、直立し上部は枝分かれする。茎には下向きの短毛が生える。
茎の先または葉腋から出る枝先に長さ10~20cmの細長い穂状花序を出し、対生する花をまばらにつける。
・葉は対生し長い葉柄があり、縁には粗い鋸歯がある。上部の葉は楕円形、下部の葉は卵形。基部はくさび形。
卵形の葉は長さ約11cm。脈上に毛がある。葉の裏面の脈上に毛がある。
・萼は長さ約7mm、背面の先に3個のかぎ爪になった刺がある。
刺は長さ約2mm。萼の中に果実が1個ある
・花は横向きに咲く。花冠は白色または淡桃色を帯び、筒状で先端は唇形、上唇は浅く2裂し、下唇は3裂して広く開く。
雄蕊は4個。子房は2個の心皮からなり1室がある。
花は萼を含めて長さ約1cm、花の幅は約5mm。下から順に咲いていく。
咲き終わった花が落ちると果実は軸に添うように下向きに付く。
・果期には鈎爪の付いた果実が下向き連続した長い果序になる。
1果実に1個の種子がある。イノコヅチに若干似ている。
人や動物などに付着して運ばれ散布され、分布を広げる。
・花期は7~10月、分布は日本各地。
付記:
・「ナガバハエドクソウ」という種類もあることを知りましたが観察経験はありません。
ハエドクソウとの区別ポイントの一つに花の形状があって、
ハエドクソウの花の特徴は上唇の先が浅く2裂し、その両サイドは肩状に広くなっている。(なお下唇は3裂して広く開く。)
しかし、ナガバハエドクソウ(の花も上唇の先は2裂しているが)には、この肩状の部分が無くて、ほっそりしていることから識別できるという。
また、ハエドクソウは葉が全体の上部、高い位置まで付いているが、ナガバの場合、葉は下部に集まる。
名前のとおり葉の形状も異なるそうですが、素人には判別は難しそう。
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【余談】:
第162回 芥川賞受賞作「背高泡立草」古川真人(まこと)
作品中に、“長年使われずに雑草に埋もれた~ 、雑草の中に「蠅毒草ハエドクソウ」”の名前も出てきました。
どこにでも普通に生える迷惑雑草仲間のようです。
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