セイタカアワダチソウの花
●セイタカアワダチソウの花:
本種はキク科アキノキリンソウ属の多年草。
秋になると一時期ほどではありませんが、フィールドには絶えることなくセイタカアワダチソウの黄色い花が目立つようになります。
秋(10~11月)には長く伸びた茎の先の円錐花序に濃黄色の小さな花(頭状花/頭花)を多数つけます。
頭(状)花の構造は(下図のキク科植物に共通の基本構造*に準じています、)
すなわち、頭(状)花は、花床上に2種類の小花が集まった造りです。
1つは中心部にある筒状花(管状花)で、2つ目は筒状花を取り巻くように外周辺部に付く(花びらのような)舌状花です。
セイタカアワダチソウの場合、筒状花は両性で、雄しべと雌しべがありますが、舌状花は(両性のキクやタンポポなどと異なり)雌性で、雌しべしかありません。(上記の図とはここは違います)
1つの頭花は10数個の舌状花と数個の筒状花で構成されています。
(頭花の)総苞は高さ3.5~4.5mm、舌状花の(雌しべの)花柱の先は2裂して裂片は糸状、筒状花の花柱の裂片は長楕円形で扁平。
● 頭花の周囲に細長い花弁のように見えているのが舌状花(雌性)で、先端がY字状の雌しべのみが付属しています。
● 中心部で花冠が星型に反り返ったごく小さな花弁があるのが筒状花(両性花)で、雄しべと雌しべが付属しています。
・果実(痩果)の長さは1.5~2mmほどで、汚白色の冠毛(細毛)があります。
花期は10~11月。
※セイタカアワダチソウ(キク科アキノキリンソウ属):
北アメリカ原産で、日本では切り花用の観賞植物として導入された帰化植物の多年草
草丈は1~2.5m。環境が良い場合はさらに高くまで育つ。
本種は、他の植物の生長を阻害する物質を根から放出して周囲の植物を枯らしてしまうが(アレロパシー)、やがてはその特性のために自滅する。
花期は10~11月。円錐花序に黄色い花を咲かせる。種子には冠毛があるので、冠毛全体が「泡立つ」ように見え、草丈が高くなることから「セイタカアワダチソウ」の名。
花が咲いた茎はその後に花も茎も枯れて地上部はほとんど無くなるが、根元から若芽が出て越冬する。
そして、地下茎を張り巡らすため翌年度はさらに地下50cmの深さまで伸びて、成長した大株になる。
退治するには、この地下茎をすべて除去することが必要な強害雑草の仲間。
セイタカアワダチソウが全国的に繁茂するようになった時期に、花粉症が問題となったことから、セイタカアワダチソウが花粉症の原因と見なされたこともあったが、無実となっている。
本種は、花粉症原因植物であるスギ等のように大量の花粉を風にのせて飛散させる風媒花ではなく、昆虫によって花粉が媒介される虫媒花なので花粉の量は少なく、また花粉の粒子も比較的重いために遠くまで風に飛ばされることはない。
・余談ながら、開花期が秋で花粉症の原因になる植物にはブタクサ、オオブタクサ、ヨモギ、エゾヨモギ、カナムグラ等がある。
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