キノコ
2016年2月 9日 (火)
2015年7月 9日 (木)
ツノマタタケ、シロソウメンタケ、その他不明の小さなキノコ5種(2015/7)
7月になってから、これまで日照時間がほとんどないという梅雨空のもと、寒気を覚える日もあれば、蒸し蒸しに我慢できないで汗ばむときもある昨今。
“じめじめ”が好きなカビやキノコ類にとっては発生の好期です。
●ツノマタタケ(担子菌類、アカキクラゲ科ツノマタタケ属):
梅雨空で蒸し暑い道路端の腐朽木にオレンジ色の点々が。
ツノマタタケでした。
舗装農道端の土留めの木材が腐朽して、一斉に発生してきたのでした。
木材腐朽菌として普通に見られ、小さいながらも列をなして群生すると鮮やかな橙黄色が人目を惹きます。
子実体の高さは5~20㎜、幅3~8㎜、厚さ1㎜以下ほど。
細いへら形で、上端はしばしば切れ込み状にへこんでいます。
表面に粘りけがあり、軟らかい“にかわ質”です。
発生時期は春~秋。
●シロソウメンタケ:
(過去にも、秋に見かけたものを記事にしていますので新味はありませんが、その繰り返し記事に。)
薄暗く、しかも湿度100%かと思うほど湿気がまとわりつく公園の林地。
たっぷり水分を含んだ裸地に、案の定、白いもやしのようなシロソウメンタケが一面に生えていました。
※シロソウメンタケ(シロソウメンタケ科)
広葉樹林床又や芝生地面などに発生するモヤシのようなキノコ。
場所にもよりますが、公園の地面では高さ5cm程度。
全体が白色で、肉質は脆く、無味無臭ですが食用にはなります。
発生時期は夏~秋、分布は本州。
以下は、こちらも公園の林地、草地で見かけた、いずれも名前不詳のキノコ。
●不明のキノコ①
白い傘の大きさ10mmほどの小さなキノコ。
濡れて乾く気配もないクヌギの根本に近い樹皮割れ目に、半透明感がある白い小さな傘を開いたキノコが発生していました。
手ぶれするため、鍵にくっつけていたキーライト照明を当てて撮影。
撮影後、一番大きかった子実体の傘を指先で押してみると弾力性があって、へこみますが破れたり壊れたりせず、離すと元に戻りました。
少し引っぱると子実体のかたまりごと、ぽろりとはずれて地面に落ちました。
サイズ確認用に小さいカギと一緒に撮り、後でカギを計測してキノコの概略サイズを確認しました。
なおWeb上で、記載された内容と姿が一部似ているシロホウライタケがありましたが、肉質が脆い、という点が異なりますので違っているようです。
※シロホウライタケ(Marasmiellus candidus)(ツキヨタケ科シロホウライタケ属):
初夏~秋 林内の朽木や落枝に、また時には生木でコケの生えた樹皮表面などにも発生する。
傘径1~2cm。傘、ヒダ、柄すべて白色。柄は老成すると基部より下半分が次第に黒ずむ。
半透明感のある傘のヒダは疎で、少し不規則に波打つ。
子実体の肉質は大変脆く、また食べられない。
●不明のキノコ②:
芝地に発生していました。傘の表面は赤色。
●不明のキノコ③:
開いた傘の表面は赤色で直径5cmほど。裏面は白色で、直線放射状のヒダ。
●不明のキノコ④:
開いた傘の直径は7cm前後。古くなった子実体は茶色で破れ傘のようになっていました。
傘の裏側は白く、ヒダは直線放射状。一つ指先で傘を押すときわめて脆く、ポロッと折れて転倒しました。柄は中空になっていました。
●不明のキノコ⑤:
腐朽した切り株に発生していたキクラゲ風で、半透明感のある白い塊状のキノコです。
公園にたむろして、「美味しいネコ缶をもらって暮らしている」野良猫連中は見向きもしないので、いずれもまあ食べられない、たべても美味しくないのでしょうね。
2014年1月25日 (土)
1月の里山園地で/ヒグラシ抜け殻、キシワタケ、不明のしわしわキノコ
終日晴れて、気温もサクラの蕾がほころびはじめるほどに暖かくなる、という天気予報に“騙されて”、終日薄曇りで陽射しはなくて寒かった本日、車で1時間少々の所にある隣県の里山公園地まで出かけてきました。
運動不足注意と、車のバッテリーあがり予防のためです。
余談ながら、普段すっかり車に乗らなくなって、先般の車検時に、(昨年末に交換したのに)バッテリーが弱っています、乗らないとダメになりますよ、とディーラーから注意されたからです。
いつもたんぼ道を歩いているスニーカー履きで、標高200m少々の園地最高峰!にも登ってきました。
さして眺望にも恵まれなかった山頂では、ご同輩の、数人の”地味な高老年グループ“の登山者”と数人の“あでやかな山ガール・グループ”にも出会いましたね。
その他には、冬枯れの山地林縁では見るべきものは何も無く、ひたすら時間つぶしのぶらぶら歩きになりました。
そんな中で、気まぐれで撮ってきた雑品の一部です。
●夏の残像、ヒグラシの抜け殻:
木の幹に、風雨に晒されたセミの抜け殻が1つだけ、くっついているのが目にとまりました。
原形は留めています。
ヒグラシかツクツクボウシのようですが、以前に記録のあるツクツクボウシの抜け殻
(写真再掲)
と較べて見ると、触覚の形状が異なり、ヒグラシのそれと似ているので、ヒグラシの抜け殻としました。
ただし、その“日暮らし”の暇人が通りすがりに撮った写真には、肝心の触覚アップ画像が撮られていないので不確かです。
●キシワタケ(シワタケ科):
地面に落ちていた腐木に(以前、公園で見かけたものとそっくりの)”迷路様しわしわ“のキノコがたくさん着生していました。
あらためてネット図鑑なども調べ直してみましたが、いかんせん、情報量が少なすぎて素人にはやはり分かりません。
今回は単純に、木についているしわしわのキノコ、だから、「キシワタケ」にしようと勝手に記録しました。
信用しないで下さい。
●不明のしわしわキノコ:
(枯れ木ではなく、生木の)赤松の樹皮の裂け目に、こちらもまたしわしわの赤っぽいキノコがたくさん着生していました。
コウヤクタケ科の仲間?に近いのかとも思いますが、やはり身元/素性は分かりません。
2011年12月 1日 (木)
ツチグリ
今年もいよいいよ最終月、お坊さんも走るほど慌ただしい時期になってしまいました。暇人は一層スローモーションで行きたいのですが。
暇人ペースの記事です。
ツチグリ(土栗)(担子菌門ツチグリ科ツチグリ属):
晩秋の山地林縁で、裸地斜面に1つだけ残っているのを見つけました。2日ほど前にかなりの雨が降った後で、外皮が星形に完全に開いていたので運良く目にとまったものです。
もう発生時期は終わりです。(撮影2011.11.13)
「腹の中に胞子をかかえた」腹菌類のツチグリは、広葉樹林、マツ林などの斜面や、裸土の崖などで普通に見られる中型のキノコで、ツチガキ(土柿)とも言われています。
地中に埋もれるように発生した幼菌は扁球形で、袋状の内皮の中に胞子が入っています。その外側には皮質の厚い外皮があり、成熟すると外皮は7~10片に裂け、星形に開いて地表に姿をあらわします。
成熟した菌体の外観は、星型の座布団の上に胞子の入った袋が乗っている形で、英語では「地の星」。
外皮は主として2層の膜構造となっていて、内側の層が水分を吸収して膨張したり、乾燥して収縮することで(湿度に応じて)閉じたり開いたりするので「キノコの晴雨計」とも呼ばれています。
そして乾燥時、外皮が胞子の袋を包むように縮む時には、袋が押されて袋の穴から胞子が放出されます。
また胞子は、袋が雨粒で叩かれたり、物理的な刺激を受けたりする時にも穴から煙のように立ちのぼって放出されます。
昔、登山道脇に並んで顔を出していたホコリタケやツチグリの袋を、通りすがりに小枝でぽんぽん叩いて、袋の穴からポッ、ポッと”煙”が出るのを喜んでいた脳天気な思い出があります。
なお、このかわりもの腹菌類の仲間には食用菌のショウロや、ハタケチャダイゴケなどが含まれています。ちなみに、ツチグリも美味いかどうか経験がありませんが、幼菌は食べられているようです。(http://www.komisen.net/ke-koro.html)
採取した標品を日の当たる地面に置いておいたところ、乾燥して外皮が閉じ始めていました。
そこで、あらためて厚手の紙ナプキンに載せて日当たりの戸外に置いたところ、外皮は完全に閉じ込んでいました。
外皮が閉じた標品を、基部がぬれる程度に浅く水を入れたプラスチック容器に入れて観察したところ、90分後には外皮は再びかなり開き、
2時間後に見たときには、最初に林地で見つけた時と同じまでに開いていました。この開閉反応は繰り返して観察できました。よく出来ているものです。
発生時期は8~11月、分布は日本各地。
(参考)植物の運動:
オジギソウに指で触れると葉が折りたたまれたり、モウセンゴケに触れた虫が捕らえたりするなど、植物運動の仕組みには、
①成長運動:
植物体の一部が他の部分より速く,あるいは大きく成長するために,植物体が一定の方向へ屈曲する運動で、植物の屈性や傾性は,この成長運動によるもの。
②膨圧運動:
植物体の一部の細胞の膨圧に変化が起こり,細胞が膨張したり収縮したりする結果,植物の一部が屈曲あるいは変形する運動で、これによってオジギソウの葉に触ると折りたたまれたり、ネムやハギなどの睡眠運動や気孔の開閉などが起こるもの。
③乾湿運動:
湿度の変化によって起こる物理的運動で、多くは細胞の細胞壁の含水量変化による伸び縮み運動で、ツチグリの外皮開閉や、スミレやホウセンカの果皮がはじけたり、またシダの胞子のうがはじけたりする運動、などがあります。
2011年10月13日 (木)
ヤマブシタケ(山伏茸)
山の斜面で立ち枯れした木の根元近くの洞に、動物の背姿のように見えるキノコがありました。
話に聞いていたヤマブシタケです。現物を見るのは初めてです。大きさ(長さ)は15cmほどでした。
名前の由来は、子実体の外観が、山伏の装束の胸の部分についている梵天(丸い飾り)に似ているからだそうでが、今回のものはそうは見えません。
本種は、夏の終わりから秋にかけ、コナラ、クヌギ、カシ、シイ、ミズナラなどの広葉樹の枯幹や風倒木、老木のくぼみなどに着生する(針状突起の長いものは)モップのようなキノコで、またその(突起の短いものの)姿は、白いウサギがうずくまっているように見えることから、「ウサギタケ」と呼ぶ地域もあるそうです。
今回見かけたものは,突起の短いもので、ウサギ、です。
白い大きな塊はよく目立ちますが、手が届かないほど高い幹に生えていることが多く、採れる量も少ないことから、天然のものは幻のキノコとして珍重されるということです。
ほとんど白色に見えたりしましたが、確かに何かの小動物のように感じられました。
子実体は傘や柄を形成せず、半球塊状で、大きさには幅があり、径と高さは8~25cm程度。子実体の上半部は内部に大小の空隙を有する塊状、下半部は太く長い針状突起の集合体になっていて、全体は初めほぼ白色ですが、時間が経つにつれてクリーム色からベージュ色に変わるそうです。
個々の針状突起は長さ0.5~6㎝で、基部における太さ1~7㎜で、外観的にもかなり差異があるようです。
子実体は水分を含み、スポンジのように柔らかくもろい肉質で、着生体を剥がそうとしたら崩れてしまいました。
着生していた樹種は、立ち枯れた木の根元から分岐した“ひこばえ”が、コナラのように見えましたが、定かではありません。
ヤマブシタケは、外国でも食材としても人気があるキノコだそうですが、特別な香りや味はないため、スープなどの汁物として味を含ませて用いることが多いということです。
天産品はたくさん採れないので、現在、原木栽培或いは菌床栽培による栽培品があり、生鮮品として販売されています。余談ながら、ためしに少しばかり購入してみましたが、なかなか良く出来ていると思いました
また「認知症やガンに対する効果が期待できる健康食品」として、さまざまに加工された商品が、流通していることもネット情報で見られました。
この種の商品は、これまでに霊芝(レイシ)と呼ばれるマンネンタケ、サルノコシカケの仲間のカワラタケ、シイタケ菌糸体、アガリクス、メシマコブ等々がありましたが、さらに、ヤマブシタケ、です。
覚えておかなくては。でもきっとすぐに忘れるでしょうね。
2011年10月12日 (水)
イタドリ、サルノコシカケ、不明のキノコ、ウラジロモミ
9月下旬、通り過ぎた山地(山梨県)で、気まぐれ撮影。
イタドリ:タデ科の多年草
その昔、初夏、茎や葉が分かれる前の、タケノコのような姿のものを”スカンポ”と言って、道草途中に囓ったり、『水車』遊びをしました。
サルノコシカケの仲間:
斜面にありましたが,生えている”根元”は確認できませんでした。 ”学問的”には、サルノコシカケ、という種名のキノコはないそうですが、素人には、サルノコシカケです。
この仲間にはβ-グルカンという化学成分が含まれていて、お友達の「カワラタケ」などは、「制ガンん剤」として開発されたこともありましたが、一時的なコシカケに終わったようです。
不明のキノコ:
木の根元、落ち葉の間から生えていました。口に入れたら魔法(ま、阿呆!)の世界に浸れるかも知れません。
ウラジロモミ:マツ科モミ属
日本特産種の常緑針葉樹です。まだ倒れてから日が浅いウラジロモミが山の斜面に横倒しになっていて、歩行の邪魔になる辺りだけ刈払われていました。それでも幹をまたいで通らなければならなかったのですが、辺りに紫色の松カサのついた小枝がたくさん落ちていました。
表面にはヤニ(樹脂)が白く吹き出していて、拾い上げた手のひらにべたべたくっつきました。
一枝拾ってポリ袋に入れ持ち帰りました。そのまま外にぶら下げておいてから3週間後、乾燥して茶色になり、手で触ると円周状に、ばらばらと崩れ落ちていきました。
”マツカサ”とは大分おもむきが違うことを初めて知りました。きれいな飾り物になるかと思っていたのですが。
秋に実るウラジロモミの球果は円筒状で農紫色です。なお、山梨県ではウラジロモミの人工林もあるそうです。
分布は本州(福島県~中部地方、
2011年10月 8日 (土)
野のキノコを食べる
秋たけなわ、野山はキノコのベストシーズンです。そして素人はむろん、専門家でさえ野生のキノコによる食中毒については要注意です。
そのような折から、野のキノコの専門家が催された”野のキノコを食べる会”に、初めて参加させてもらいました。
もとよりキノコについてずぶの素人。専門家によるキノコ料理の蘊蓄はうわのそら、ただめずらしく、そして美味しく、”花より団子”で、頂いてきました。
後から、もう少しメモも写真も撮っておいたら良かったと思えども、あとのまつり。
10数品目のメニューでした。すべて専門家が採取されたそれぞれのメニューに適した野性のキノコが調理されて入っています。(採取場所は”企業機密!”)、(テーブルの写真はその一部で、まだ”おあずけ”状態です)
専門家が山で採取されたキノコの解説用現物見本の一部。
タマゴタケ:
①タマゴタケ:(テングタケ科テングタケ属)
傘は赤~橙赤色で周辺部に条線があります。ひだは黄色。また柄は中空で、黄色と橙色のダンダラ模様、上部に橙色の”つば”があり、基部に白色の“つぼ”がある中~大型のキノコ。
テングタケ科のキノコは大半が毒キノコですが、タマゴタケは派手な色合いをしているにも関わらず、無毒で食用になり、味が良いキノコ。
夏から秋に、針葉樹・広葉樹林の地上に発生する。
天ぷら、お吸い物、キノコご飯、酢の物,etc.
②オオツガタケ:(フウセンタケ科フウセンタケ属)
傘は4~8cm、はじめ丸山形、のち開き中高扁平、扁平。表面は湿っているときは粘性があり、橙褐色から茶褐色。ひだは白色のち黄褐色。くきは高さ6~10cm、白色で綿毛状のささくれがあります。
秋に、マツ、ツガなどの針葉樹林に発生。
:炒め物、鍋物などにあいます。
③オオムレフウセンタケ(大黒しめじ):(キシメジ科シメジ属)
傘は2~8cm、なめらか。ヒダは白~淡黄色。つばはなし。柄の高さ3~9cm。味の代表格で、特有の苦味があるが、甘くておいしいきのこ。
秋にコナラ林、雑木林に発生する菌根菌。
シチュー、てんぷら、すき焼き、粕漬け、など。
2011年1月24日 (月)
冬枯れの里山道で(トキリマメ、ヤマカシュウ、オニドコロ、ヤマノイモ、サルノコシカケの仲間)
冬の里山道をのんびり歩いて行くと、秋の名残の実やタネの姿がポツポツと目にとまります。
その状態を初めて見るときには、最盛期の姿がなかなか分かりません。
昨年12月下旬から今年1月に撮ったものを並べてみました。
●トキリマメ:
これだけは、少し前に一度、おなじ里道で見かけていましたので、すぐに分かりました。
種は黒く熟して、赤色の莢の色も少し退色し、葉も残りわずかでした。
●ヤマカシュウ(ユリ科シオデ属)?:
同じシオデ属のシオデかも知れませんが、とりあえずヤマカシュウとしました。
茎には緑色が残り、葉はすっかり落ちていて様子は分かりません。
7~20mmほどの葉柄の基部に、托葉の変形した巻ヒゲがあり、すっかり茶色になって傍の植物に絡みついて立ち上がっていました。
茎を掴むとチクッとすることがあり、よく見るとまばらに、ごく短い棘が生えていました。
(トゲナシヤマカシュウなのかも知れません)。
乾燥が進んでシワシワになった球形で暗緑色の実(大きさ約8mm)を”シャンデリア”風にぶら下げていました。
花の咲く時期に確認しないと、この写真だけではよく分かりません。
●オニドコロ:
蔓性の多年生植物です。 さく(朔)果は、ややしわのある3つの翼が3方向に出た形のもので、既に開裂していて、中の有翼の種はすっかり無くなっていまいた。
(すでに葉は落ちていましたが、ハート形の葉は一見ヤマノイモに似たものです。
なおヤマノイモと違い、こちらの芋は有毒で食べられません)。
●ヤマノイモ:
畑の傍や、生垣などに絡まっているのも見かける身近なものです。
蔓に付くむかごは美味しいです。さく果の鞘は三つ葉のクローバーのようです。
中に扁平な翼のあるタネが入っています。
●おまけ:
切り株にたくさんのキノコ(担子菌)が生えていましたので、記念撮影。
名前はわかりませんが、サルノコシカケの仲間でしょうか。
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2008年11月12日 (水)
オニフスベ観察
およそ2ヶ月前の9月はじめに、公園のケヤキ並木に下植えされたサツキの株元に、真っ白いボールのようなものが2、3個”落ちている”のが目にとまりました。
近寄ってみると直径20cm以上はあるオニフスベでした。
近くの落葉だまりにも別の、ピンポン玉くらいの小さい子実体が数個のぞいていました。
オニフスベは日本特産のキノコで、夏から秋、畑や雑木林に一夜にして巨大なボール状の子実体を形成するそうですから、膨らんでいくスピードはとても速いのですね。
一つ拾って帰り、風雨で転がっていかないように庭の木陰の窪みに据置いて、その後の変化を観察してみました。
観察初日①は中まで真っ白のようでしたが、3日経過後②は外皮と一部皮が剥けているところから見える内部が、まだらに黒っぽくなりはじめました。胞子の形成が始まったようです。
15日目③では、既に外皮は紫黒色になり一部剥離が生じていました。
内部も明るい焦げ茶色になっています。
30日後④には既にカラカラに乾いた様子でやや縮んだ印象です。
皮がだいぶめくれていますが球が崩れるような様子は全くありません。
指先でトントンと叩くと茶色の煙がポッポッと噴出しますので、中には胞子が充満していると思われます。
さらに2ヶ月を過ぎた先日、外観は雨で濡れると黒くなり、乾くと茶色になる繰り返しで、15日経過時点と様子は変わりません。
どうやら子実体の変化は早くに終わってしまっているようです。
そこでしびれを切らして大型カッターナイフを持ち出して半分に切ってみました⑤、⑥。
まず手に持つと非常に軽いこと、しかし変形するようなことはなく、丈夫なスポンジ球のような弾力がありました。
カッターの刃を当てると、(胞子の飛散で)煙が立ちのぼり、あたかも発泡スチロールの球を切るような感触で、サクサクと切れました。
中には空洞など全くなく、緻密なフェルト繊維の塊⑥のようでした。
カラカラに乾いてとても軽い半球⑦を、火ばさみでドン、ドンと叩いてみると、きわめて弾力性に冨み、ウレタンフォームのスポンジボールのようでした。
叩くたびに紫茶色の多量の胞子が煙のように舞い上がります。
スポンジは復元性に富み、すぐ元に戻ります。
フェルト繊維のような菌糸塊の一部を覗いてみると、弾糸と呼ばれる乾燥した菌糸組織と多数の丸いツブツブの胞子⑧が確認できます。
胞子には突起があるそうです。
この後さらに風雨にさらされると、乾燥した緻密な菌糸の絡まり(弾糸)がだんだんほぐれて中の胞子を飛ばし、やがて跡形もなく消滅する、ということですが、今の様子を見る限りまだ相当の時間がかかりそうです。
なお余談ですが、まだ白いボール状の幼菌の時期には、皮をむいて調理するとはんぺんのような触感で食べられるそうです。
味はまずくはないが、さりとて美味しいモノでもないとか。
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2008年10月 9日 (木)
ハラタケ科のキノコ
九月末に近くの公園で、落ち葉の中に白くて丸いキノコが生えているのを見かけました。傍には誰かが蹴飛ばしていったらしいものもありました。
後日、10月初めに、里山で、大げさに言えば、全山の林地に、同じような白くて丸い子実体が方々に生えていました。そしてそのまわり一面にそれらが経時変化した姿と思われる傘の開いたものが沢山ありました。
完全に開いた傘の周囲にはフリルのようなヒダが垂れ下がっていて独特の風情でした。ただこのフリルはとてももろくて、キノコに少し触れてだけですぐに脱落してしまいます。
完全なフリルがついたものを探して写真に撮ってきました。
ハラタケ科の特徴のあるキノコのようで、図鑑を少し調べましたが名前は分かりませんでした。
多分、蹴っ飛ばされたり、辺り一面に採り切れないほど生えている、ということは少なくともおいしく食べられないことだけは確かでしょう。けっこう怪しく危ないものかもしれません。
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より以前の記事一覧
- ハタケチャダイゴケ(キノコ) 2007.09.12