カニムシ(茨城・加波山)
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11月下旬、天狗が住むという茨城県・加波山の落葉の下にいたトビムシです。同じところからカニムシも見つかりました。トビムシは草食ですが、カニムシは肉食の土壌動物です。
●アヤトビムシの仲間:
体格は大型で、立派なバネ(跳躍器)をもち、相変わらず毛深いトビムシです。
●シロトビムシの仲間:
名前のとおり白い体をしています。バネ(跳躍器)はありません。
●トゲトビムシの仲間:
体は大型で、長い触角の第3,4分節に環状の小分節があるのが特徴。跳躍器の茎節の基部内側に太い棘があります。
●マルトビムシの仲間:
体長1.2mmくらいで比較的きれいな標本が採れました。触角は頭より長く、胸部と腹部の体節は融合して球形となるのがこの仲間の特徴です。
●ツチトビムシの仲間(上)と、ムラサキトビムシの仲間(下):
イボトビムシの仲間は見つかりませんでした。また伝説の天狗は見つかりませんでしたが、天狗はもしかすると人の大脳の中に住んでいるのでしょうか?
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里山(大小山)の尾根筋に堆積した落ち葉の腐植土層に、トビムシを捕食するカニムシが居ました。カニムシにお目にかかるのはまだ3回目です。
カニムシが住んでいるところは、トビムシだけ住んでいるところより自然度が高い、という評価になるようです。
日本の土壌性カニムシには、ツチカニムシ上科とコケカニムシ上科が多いそうですが、全く知識がないので、ただカニムシ、です。
カニムシの体型はシッポがないサソリ形です。
3匹抽出されました。同じ種類でしょう。その個体の写真です。
触肢は大きなハサミ状で、このハサミでトビムシなどを捕まえます。
ハサミ状の膨らんだ部分(掌部)に毒腺があるもの(コケカニムシ)とないもの(小型のツチカニムシ)があるそうです。
また頭のところに1対の大きな鋏顎があります。
歩き回るための足として、4対の歩脚があります。
今回見つかったカニムシの大きさは、ハサミを含めないで、鋏顎から測定して約1.5~1.8mmくらいです。
●個体a(大きさ1.5mm)
写真上:プレパラート作成直後のもの、写真中:1日後、透明化が進んだ背面からの画像、写真下:腹面からの画像。
カニムシが、同じくらいの大きさのトビムシに襲いかかり、トビムシが飛び跳ねて逃げる光景はなかなかイメージできません。想像力の欠如は頭が硬くなった証拠でしょうか。
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大小山(栃木県)の尾根筋の窪みに堆積したふかふかの腐植層に住んでいたトビムシです。なかなか住みやすそうな自然です。なおカニムシも住んでいました(別報)。
トビムシはどこにでも必ずいますが、カニムシはより”自然度の高い”ところでないと見つかる頻度が少ない土壌動物です。
アカイボトビムシの仲間:
大きさ1mmくらい。名前のとおり体色は赤色で、体表面に半球状のイボイボがあります(写真上)。プレパラート標本作成後、時間が経過すると、赤色はだんだん退色して消えていき、透明になっていきます。(写真下)
シロトビムシの仲間:
大きさ1.3mmくらい。名前のとおり体色は白です。(一緒に写っている左の個体は次の写真のツチトビムシの仲間)
ツチトビムシの仲間:
大きさ1.2mmくらい。どこにでもいるトビムシ仲間。”ソーセージ”が見えます。体表には青色の縞々模様がありました。
トゲトビムシの仲間:
トビムシ仲間内では大型の部類(2.5mmくらい)です。小分節のある長い触角と、立派な跳躍器(バネ)があって、天敵のカニムシに襲われても素早く跳躍して逃げられることでしょう。
ムラサキトビムシの仲間:
大きさ1.1mmくらい。ずんぐりむっくりの体型。体表の色は紫色。
このほかにもごく小さなマルトビムシがいましたが、写真が不鮮明でわかりにくかったので掲載しませんでした。ここにはトビムシの代表的な仲間が揃っているようでした。
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山の尾根筋の平坦なところに落ち葉がふかふかに堆積していて、そこの落ち葉を含む表土層から抽出されたトビムシです。
5~6種類は居たようです。カニムシも同じ所から出て来ました。
体長2.2mm位の黒紫色、ずんぐりした体型のムラサキトビムシの仲間がいました。
色黒で見にくいですが、腹面に小さいけれど跳躍器(バネ)が観察できました。
ムラサキトビムシの仲間、写真左:背面から、右:腹面から。短く小さいバネがある。(写真をクリックすると拡大されます)
ツチトビムシの仲間。体長1mm。食べたお腹の腐植がソーセージのように見えます。
トゲトビムシの仲間:大型で触角が長く第3、4節が環状に小分節している特徴があります。カニムシの好物でしょうか。
本当に、トビムシは何時でも何処にでも住んでいるようで,良い遊び相手です。
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3月中頃の里山はまだ芽吹きも進んでいませんが、尾根筋のドングリが成る樹の落ち葉がふかふかに積もった所にはたくさんの土壌生物が住んでいます。
落ち葉を含む表土の生き物を観察しました。
センチュウ類がいっぱい居て気持ち悪いのを我慢しながら、80%アルコールに捕集された標本の、表面に浮いているトビムシ類と、捕集容器の底に沈んでいるものを調べました。
微細な土粒の間にカニムシが沈んでいるのを見つけました。
カニムシは、トビムシ等を捕食する肉食性の土壌動物で、トビムシがどんな劣悪な環境にも生息できるのに対して、自然の生息環境が変化すると急速に姿を消すため、”自然度”の指標になる生物です。
トビムシと一緒に作ったプレパラートで大きさを比較計測しました。
カニムシ(右下)は体長1.7mmでした。(ムラサキトビムシ(左上下)は2.2mm、ツチトビムシ?(右上)の小さいのは0.8mm)。
プレパラートにする前に直接観察したカニムシの腹面からの写真です。
体は円筒形で、四対の歩脚と、一対のよく発達した、体長と同じくらいの長さがある大きな鋏状の触肢、さらに頭部最前部に”鋏顎”と呼ばれる文字通りハサミ状の構造を有する大変印象的な姿をしています。
一度見ると忘れられません。
プレパラートにしたカニムシ。
プレパラート作製液の厚みがあるので長い足やハサミが不自然に変形してわかりにくくなっています。
上と同様、腹面からの写真。
プレパラートを裏返しにして、背面からの写真。
けっこう毛だらけですね。感覚毛だそうです。
ムネトゲツチカニムシに似ていますが同定は出来ません。
以前生きたままで抽出したカニムシは、捕集瓶の中を長いハサミを伸ばして振りながらそろそろと歩きまわり、何かがあるとハサミを体に引きつけてはねるように後退していました。
里山はまだまだ自然が豊かのようです。
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過日、夜叉神峠の下山路で山肌斜面にふかふかに積もった腐葉土の下の方を一掴みゴミ用のポリ袋に入れて、帰宅の都合で2日間、車のトランクに放置したままになりましたが、ツルグレンもどき用具で抽出しました。
たくさん居るはずのトビムシは抽出できず(ポリ袋で蒸れたため死んだのかも知れません)、少し大きめ(4~5mmくらい)の見慣れない”虫”が1匹だけ居ました。それが”カニムシ”でした。
正確な種名は分かりません。カニムシはサソリの尻尾をとったような形をしていて、体長は2~5mmで、カニのような大きなニ本の鋏状の触肢を持っています。
学名は「偽サソリ(Pseudoscorpiones)」。日本では60種くらいの報告があり、比較的自然が豊かな環境でないと住まないらしいです。
そして自然界ではもっぱらトビムシなどを餌にする肉食捕食者という位置づけ。
トビムシが一匹も捕集瓶の中にいなかった原因は明らかではありませんが・・・・。
大きな鋏をゆらゆらと振り回しながら捕集瓶の中を歩き回っていました。
すべてお腹の面からの写真で、上から撮るのを忘れました。残念。
( 続く )
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